ネットワーク・レイアウトの差分表現

ネットワーク・レイアウトの差分表現 (Project DiLayN)
-NeL2: レイヤー構造によるネットワーク・レイアウト差分表現-

共同研究者:石原正樹

研究概要

ネットワーク図の差分を視覚的に把握したい場合、このような差分を一つの図で表現するにはどのようなアプローチが考えられるかについて探っていく。
「Project DiLayN (Differential Layout of Networks)」と名付けた本プロジェクトでは、2つのアプローチを提案する。その一つが、ネットワークの更新情報をレイヤーとして保存し、その積み重なりでネットワークを表現するというものである。「Networks' Layer Layout」を略した「NeL2 (nel square)」という名称で研究を行った。

既存のネットワーク図の問題点とその解決案

既存のネットワーク図による表現は、同時に一種類の状態を表現するにとどまっている。 そのため、例えば昨年と今年でネットワークがどのように変化したか、あるいは過去10年間でどのような変遷を経てきたか、などといった「変化」を把握することは容易ではない。
我々は変化を続けるネットワーク図の差分を表現する方法として、レイヤー構造を持つネットワーク図を提案し、 「NeL2」という名称のツールを作成した。この表現方法はネットワーク図を1枚の図としてではなく、複数のレイヤーが積み重なったものと考える。 例えば昨年のネットワークを参照したい場合は、「昨年のデータ」を表現するレイヤーに注目すればよい。 過去10年間の変遷を見たいときは、10年分のレイヤーを重ねて見たり、あるいはそれらを並べて比較することで変化を確認することができる。同様に、すべてのレイヤーを重ねた場合は過去から現在まで すべての関係を一目で把握することが可能である。

レイヤー構造の概念

NeL2のスクリーンショット